私は,趣味が多い方だと思います。
楽器は2種類やっています。バンドも二つやっています。作曲・編曲・作詞もやります。
旅も大好きです。電車もいいし,天気がよければ自転車に乗りたくなります。お酒が飲めなくなるのであまりやりませんが,ドライブも嫌いではありません。
食べるのも飲むのも好きだし,時間が空いたら映画や落語やスポーツも・・・
という感じで趣味にお金と時間を一定程度使っています。
お金は労働の対価ですが,時間は自分で工夫して作り出さなくてはなりません。
その時間について,自分の仕事は比較的融通が利くのですが,いつも問題と思っていることの一つに長引く会議が挙げられます。
別に人の話を聞いたり,自分の意見を述べたりするのは嫌いではありません。
実際,講義や勉強会などに顔を出していますし,意見交換会などでは比較的意見をする方だと思います。
私にとって講義や勉強会は自己研鑽の場ですし,新しい発見ができるのが結構楽しかったりします。また,意見交換会なども日頃思っていることなどを発表することで自分の意見を反映させることができるかもしれないし,人に話を聞いてもらう事は嬉しいことです。
ですが,話し好き同士のプライドをかけた終わりのない討論合戦に時間を割くことはできないという方は私のほか多くおられるかと思います。
別に会議が無益なものだとは思いません。むしろ大事なことだと思っています。
しかし,やみくもに時間を費やしたことにより議題が煮詰まったかのような雰囲気になったものの結論として会議の目的だった当初の問題が不明確になってしまうようになってしまうことを感じることがあります。
会議は何かしらの問題(共有の情報から問題を顕在化させることも含め)があるから行うものだと思います。確認事項だけであればメーリングリストなどで行うことができますし。
ただ,会議自体で解決できる問題はあまりないと思います。会議で話した内容を実行して初めて問題が解決に向かうことが大概な訳で,話し合いだけで解決するのであれば会議という方法によらなくてもよい気がします。
つまり,会議の目的は問題の原因を顕在化させて解決方法を検討し実行方法を決定することだと思います。
まず,問題について原因を検討して共有しなくては根本的な解決には向きませんが,ここをすっ飛ばして解決方法の主張を始めることにより,会議の目的を見失った終わりのない討論合戦が起こるような印象があります。つまり話が噛み合わなくなるのです。
つぎに,解決方法(何も起こさないなど消極的な方法も含めて)を考えるにあたり人数の多い方が,多様性を持ちベストに近い方法を考え出せる可能性が高いと思います。
例えば,ブレインストーミングという自由奔放にアイデアを出し合い,出た意見に批判などをしないというルールを定めた会議の方法があります。この方法を会議に取り入れると多様な意見が出てくるため意見集約に時間がかかります。しかし,出てきた意見を整理する時間との区別があるため最終的には時間がかからないと思います。というか目的に沿った結論の出る会議になると思います。それは,ルールを設けることで会議の参加者が,今何をすべき時間であるかをそれぞれが認識して共有できるからです。
つぎに,出てきた意見の問題点を提起するなどしながら整理して実行方法を検討するのですが,結局,情報が錯綜するこの時代に問題点を完全に網羅できるわけがありませんし,前代未聞の出来事だって起こる可能性があるわけで,完璧な結論を会議という机上の話し合いで出すことは不可能だと思います。
では,なぜ会議を行う必要があるかというと,私が思うに会議の参加者全員で決めたという「建前」を作るということと,出した結論を(たとえ納得できないことがあっても)全員が「共有」するということに意義があるのだと思います。
この「建前」があれば,会議で話した結論通りに行かず,結果として責任問題となっても,代表者には代表者の責任の取り方があるにせよ,その他の会議の参加者についても各自責任を自覚すべきことになり,特定の人に集中して責任を負わせることにはならないはずですし,結論を「共有」することで一枚岩となるほか,各自の裁量の範囲を一定程度制限することでトラブルの範囲を狭めて起こり得るトラブルを想定し易くします。
だから,自分が「絶対正しい」と信じていることを会議で断固主張して押し通すことにメリットはなく,反対意見を聞く姿勢の方がそれぞれの参加者の意識として大事なわけです。共有することにも意義があるわけですから。
それに,「絶対正しい」のなら,反対意見をよく聞いた方が反対意見の問題点を指摘できるわけですし・・・
そこで,架空の話を例として考えてみます。
例えば,AとB二つの組織が開催する行事の日程が偶然重なってしまいました。二つの組織には共通の構成員が多くいて,Aの幹部もBに数名います。
これについてAからBに対して日程の変更を要請しました。理由は,行事の日程を重ねてしまうとBの行事にAの幹部及び参加者を取られてしまう。Bという組織はAの基盤の上に成り立っているからBはAの行事を優先する必要がある。よって,日程の変更を要請する・・・とのこと。
これに対してBからの反論。極力日程を重ねないように努力はしているが,行事の参加者の人数を最低限確保する必要がある。そのため綿密に日程調整をした結果決めた日程なので変更は無理。そもそもBの構成員の中にはAとは関係ない者も在籍しておりAから独立した組織である。
といった感じとします。
ここで,この問題についてAとBの構成員により会議を行った場合を考えてみます。
そこで例えば,行事の日程についてと両組織の関係を中心した事を議題としたとしましょう。この場合,果たして当初の問題を解決できるような結論はでるのでしょうか。
もし,私が議場にいたら両組織の行事への参加者増員の検討とA幹部の(行事参加者増員も含めた)意識の問題を提起してみるかな?まぁお前が言うなと言われそうですが・・・
でも,議事の進め方により,もしかしたら有意義な意見がたくさん出るかも知れません。