死守
米国と中国は,より安定的な関係構築に向けた取り組みの一環として軍事交流と軍事演習を拡充することで合意したそうです。
なんでも,米中関係の強化に向け,軍同士の「持続的かつ実質的な関係」を構築したいと,米ヘーゲル長官と中国の常国防相との間で一致したそうです。
ヘーゲル長官は記者会見で「われわれの目標は協力を通じて両国の軍の間に信頼を構築することだ」と指摘し,常国防相もアジア太平洋地域での米国との協力関係について強調したそうです。
しかし,米国が太平洋地域で軍事的な影響力の拡大や同盟国との連携強化を目指していることについて懸念も表明したとのことです。
また,海洋権益をめぐる争いについて,「われわれの領土,領有権を守る意志と決意を誰も過小評価するべきではない」と強調したそうであります。
これに対してヘーゲル長官は,この問題でどちらの立場にも立たない米政府の方針を繰り返した上で,争いは武力を行使することなく解決されなければならないとの見解を示したそうです。
最近のアメリカと中国の関係は蜜月とさえ見えます。たしか,アメリカは中国に対してTPPにも誘っていたそうです。しかも,結局,中国は乗らないようですけど,それまで交渉内容を教えていたという話もあります。
まぁ,世界の警察という立場から身を引きたいアメリカと,自国に向けられているアメリカの軍備の矛先を逸らしたい中国とで,折り合いをつける話をするとなると,当然に尖閣諸島の領有権の問題が話されるでしょう。
で,尖閣の問題について話しているという仮定で意訳すると,中国「お宅の同盟国との間で領有権争いしてるけど,うちは譲る気一切ないよ」と言うのに対して,米「まぁまぁ,そこはどちらに味方するつもりも無いから,せめて穏便にやってよ」という様に思えます。
要は,中国のけん制に対してアメリカは,自国の立場を言及していると言えましょう。
そうであれば,中国にとって大事なのは覇権,アメリカにとって大事なのは自国の立ち位置を崩さないことです。すなわち,尖閣について日中間でひとたび争いが過熱すれば,安倍首相の歴史認識見直しの時のように,アメリカは日本に対してけん制してくるでしょう。
それどころか,米中の話し合いで尖閣をはじめ,南シナ海や東シナ海での海洋権益を決めてしまうかもしれません。
なぜ,そこに日本が割り込めないかというと,アメリカとの間に利害の一致が無いからでしょう。
そういえば,中国はバブルがはじけて大変な経済状況の模様ですが,経済破綻といった様な近代的な滅亡の概念では,中国(人)は実質的に滅亡しないと思います。なんせ,逞しいですから。
それにしても,なんで中国はなぜそこまでして尖閣諸島を欲しがるのでしょうか。
理由のひとつに,日本海の尖閣・竹島を始めとする領土問題は日本海側のメタンハイドレートが目的だという話があります。
なんでも,尖閣諸島近海の海底にあるとされている天然ガスなどを含めると日本は世界有数のエネルギー資源大国になれる可能性があるという意見もあるそうです。
そうであれば,原発に依存する日本のエネルギー事情に懸念を示す人々(イワユル『脱原発』の人たち)から,尖閣を守るために大いに声が上がるはずです。
ですが,そういった声は少なく,脱原発をスローガンに再生可能エネルギーに飛びつきました。なぜでしょうか。
そりゃ,メタンハイドレートを実用できるまで時間がかかりますが,どちらにしろ使用済み核燃料の処理の問題があることから,原発への依存を解消するには長い時間をかけて腰をすえて行わなければなりません。
ところが,一方で,原発が稼動しなくなって日本がエネルギー供給不足状態になることにより喜ぶ人たちがいます。昨日の再生可能エネルギー発電にかかわる業者です。
いままで,東電などの電力会社が発電と送電の両方を担っていましたが,昨日のとおり,菅直人が発電業務の一部を電力会社から取り上げて民間に明け渡した訳です。
そして,そこにお金の流れが出来ます。(しかも,消費者の支出)その甘い蜜に虫がわいているということです。
このお金の流れが止まらない限り,おそらく真剣な尖閣の領有権主張はされず,メタンハイドレート実用の開発も行われることはないでしょう。
だって,甘い汁を吸っている人がいるんですから。
原発について批判していた人たちが,原発にまつわる事と同じ事か,それよりもっと汚いことに手を染めているということは昨日ブログの通りです。
つまり,本来なら豊かなエネルギーを享有できる日本人の明るい未来は,一部の意地汚い人たちに踏み潰されているということです。
将来を担う子供達,もっと後の世代のためにも,尖閣は死守しなければなりません。
そして,再生可能エネルギーの固定買取制度は即刻廃止すべきです。