米大統領選で再選を確実にした民主党のオバマ大統領がシカゴで勝利宣言を行ったそうです。
アメリカ大統領選については,候補者ロムニー氏と対日政策の違いについて気になるところでしたが,防衛予算については意見が相違した様でしたが,安保については両氏とも中国の台頭によりいっそう強化することで一緒だったようです。
しかし,前政権の際にオバマ大統領が持ち出してきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)についての野田首相は交渉参加を明言していました。
実際の話,野田首相の所属する民主党は,前政権下において普天間基地移設問題などで日米関係に緊張を生みだした後にTPP交渉参加の話が持ち出されたという経緯があるので,日米同盟を堅持することにより前政権の失策を補うという思惑があるとしたらちょっと怖い話です。
なお,来夏までに実施される総選挙において自民党が第一党になった場合,総理大臣となるであろう自民党総裁の安倍氏は,慰安婦問題や憲法第9条の改正に関する言動などからタカ派といわれております。そして,領土問題で関係が悪化している中・韓に対しても強硬な姿勢をとることが予想されますが,一方でTPP交渉参加には否定的な発言をしているようです。
もっとも,アメリカ国内においてTPP日本参加については農業団体、医療団体、金融業界が賛成する一方で自動車業界、労働組合は反対しているようです。なお,アメリカ国内のTPPの意見公募において自動車業界から日本の軽自動車規格の廃止が主張されたと言われています。
そして,大統領選挙が終わったため強行に進められる可能性もあります。再選により今まで進めてきた量的金融緩和政策が維持されることによりさらに円高ドル安となることが予想されます。そして,円高にあえぐ日本をTPPに参加させることができたならアメリカ国内の一部の業界においてはオバマ大統領の成果として認められるかもしません。
はたして日本のTPP参加の是非により日米関係にどのような影響があるのでしょうか。