ハイラムブロックを聞いていると無性に桃ネクターが飲みたくなります。
故ハイラムブロック氏は大阪生まれのアメリカのジャズ・フュージョンのギタリストで,日本に来ると桃ネクターを箱買いしてホテルの冷蔵庫を桃ネクターでパンパンにすることで有名でした。
そして,桃ネクターは私にとってはある夏の思い出があります。
取り立てて好きだったわけではありませんが,野球の練習後でのどがカラカラに渇いているときに飲んだことがあり,甘くてとろみの強い桃ネクターの食感が妙に印象に残っています。
当時,ネクターのCMは江川卓氏が出演していたと思います。
江川卓氏といえば,当時は巨人に いわくつきで入団したことで話題を振りまいた選手でした。(空白の一日事件と言われています。)今考えるとよくCMに起用したなぁと思います。
我が家でも,江川投手が登板の日は父が普段にもまして大騒ぎ(いつもテンションは高かったのですが・・・)していました。
そんなこんなで私にとってもあまり言いイメージの選手ではありませんでした。
そんなとき,家族と旅行先のホテルで見ていたオールスターゲームに江川投手が登板しました。
弟がキャッキャと騒ぎながら枕を投げている中,次々にパリーグの打者を三振に取っていく江川投手の姿に私は釘付けになりました。
そして,8人の打者から連続で三振を奪い9連続三振の記録まで後一人というところに打席には大石大二郎選手でした。大石選手はバットを短く持ち「絶対に三振しない」という意識が強く伝わってきました。
そして,球場の熱気は最高潮に達したとき大石選手のバットにボールが当たり打球は二塁手の方向へ弾かれていきました。
結果はセカンドゴロで九者連続三振の記録には届きませんでしたが,球場の熱気は余韻を残したまま試合終了まで絶えることはありませんでした。
なんというか,あまり良い印象のない人でも専門の分野で圧倒的な実力を見せつけられると認めざるを得なくなることってあるのですね。
なんだかとりとめのない方向へ話題が向いてしまいましたが,今もネクターは健在のようです。
そういえば,江川氏と生前の小林繁氏(江川氏入団のに係る一連の事件の当事者)との対談の中で“長い時間を経なければお互い会って話すことはできなかった”と言うことを語っていました。
人との関係においては,ある程度の時間を経ないと繋がらないことがあるようです。