一度スマートフォン(iPhoneなどのタッチパネルの携帯端末)を購入したものの結局ガラパゴス携帯(従来の携帯電話)に戻す人が多いという話を聞きました。
スマホについては,機能は多いもののタッチパネルはメールが打ちにくいとの話はかねてから聞いていましたし,バッテリーの消耗が激しいとのことで外出中に携帯に転送するようにしている私としては従来型の方が使いやすいと思っています。
最近では,新製品が出る度に大々的な広告がなされ我先にと購入される方も多いと思います。
昔から「女房と畳は新しい方がよい」と言ったものでここ最近,年の離れた芸能人の結婚も話題となっています。
私自身としては,何に関しても新しければよいという風には考えておらず,若くてもあまりに年の離れた相手には恋愛感情は起こりません。また,大人が若者におもねる風潮をあまりよく思っていません。
また,行きすぎると青少年健全育成条例などの問題もあります。このあたりは少しこわいところで,私においてはエレベーターで年頃のお嬢さんと二人きりになるのを避けるくらい気をつかっています。
まぁ若い人の話題について行けずゼネレーソンガップを克服できない私などが相手にされるはずもないのですが・・・
まぁ話を戻して電化製品の新商品についてです。
もともと,私は,新製品の購入に慎重なのですが,それはかつて家庭のビデオデッキがベータ(ソニーが販売していた家庭向けビデオテープレコーダおよびその規格である。)だったことに由来します。
私が,小学4年生くらいの頃,我が兄弟間で空前のジャッキーチェンブームが起こりました。
私の場合は,友達のお宅にお邪魔した際にビデオを見せてもらったのがきっかけでしたが,他の兄弟もおそらく同じような形でジャッキーチェンのスピーディーで迫力満点のアクションに魅せられ,兄弟間でそれを自宅でいつでもみられるビデオデッキの存在が話題になりました。
われわれ兄弟の意思は同じ目的に向かいました。そして,両親にビデオデッキ購入を請願したのですが,「おとなになってから!!」(?)との理由で受入れられることはありませんでした。
そこで,我々は実力行使に出ました。両親のいない時間に自宅でカンフーごっこを繰り広げたのです。当時は,団地住まいだったため我々のアクションのSEが下の階に響き渡りました。そして,他の住民の苦情を追い風に我々は交渉の末,ビデオデッキを買ってもらう権利を勝ち取りました。
まぁ父上もまんざらでもなかったようで,後日満面の笑顔で手に入れたばかりのビデオデッキを我々に自慢げに見せました。
(・・・・なんか違くね・・・・)
声には出さなかったものの黙ったままビデオデッキを見つめる他の二人の息づかいから(同じ事を考えているな)と察することができました。
そう。父上がああでもないこうでもないと嬉しそうにテレビに接続しているビデオデッキは当時ビデオデッキの主流規格VHSにシェアで大きく水をあけられていた「ソニー製ベータマックスビデオテープレコーダ」だったのです!!
接続も終わり,さっそく近所の大型本屋でビデオを借りてきたものの差し込み口にビデオが入らない。さて,どうやってビデオをみるのか,未開の地で初めて文明の物を手にした人達のように家族全員であーでもないこーでもないと悩みました。しばらくして,ようやく事態に気がつきました。
そして,我々は手分けしてベータが置いてあるレンタルショップを探しまわり,2番目の弟が少し離れた16号線沿いのレンタルショップでベータが置いてあるのを発見しました。
ようやく,ビデオを見ることが出来るようになり,それから我が家の映画ライフが始まりました。
夏休みは,部屋の電気を暗くして3人でジャッキーチェンのほか,マッドマックスやダーティーハリーなどを観ていました。
我々がおとなしくなったことで両親も安心し,しばらく穏やかな日々が訪れました。
しかし,その後もベータはシェアをVHSに奪われ続け,近所で唯一貸し出ししているレンタル店でも品数が少なくなっていました。
そんな冬のある日,私はテレビから録画したジャッキーチェン主演の「少林寺木人拳」を観ようとテープをデッキに入れたところデッキがうんともすんともいわなくなってしまいました。
動かなくなったデッキへの対応について家族の意見は一致していました。
新たにVHSのビデオデッキを購入することになり,我が家初めてのビデオデッキは「少林寺木人拳」をくわえ込んだまま処分されることになりました。
そして時が過ぎ第3世代光ディスクが主流となる中,このことを大人になってから考えたのですが,もし,私が「少林寺木人拳」を観る前に,父上がプライベートタイムを利用してプライベートビデオを観ていたらと思うとこれでよかったのかな,と思いました。