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司法書士の自由競争

2015-06-16

本日は、事務所内で自己啓発セミナーが話題となったのですが、経験者曰く他愛のないことだそうです。

 

そう言われれば、自己啓発なのかは知りませんが、当事務所にも「なんたら総研」から「この時代を生き抜くための〜」てな感じの広告がよく入ってきます。

 

少し見てみると、「経営革新」やらなにやら定義の分からない見栄えの良さそうな言葉がぞろぞろ出てきて、思わず「安倍政権か?」と突っ込みを入れたくなりました。

 

なんか広告を見てると、今までの経営が上手くいかなかったのは、すべてそれまでのあなたのやり方が悪いといったような入り口で、まぁそういう所も確かにあるのでしょうけどマクロの視点からもちゃんと解説するのかなぁ・・・と思いました。

 

たしかに、我が司法書士業界は完全に買手市場でして、先生などと呼ばれながらふんぞり返ってはいられず、呼び方は変わらずとも腰も頭も下げなければならない時代です。(もっとも、私は若い頃から頭を下げる仕事してましたし、司法書士となった頃にはすでに業界が下火だったので、特に抵抗は感じないのです。)

 

もっとも、財務省のと関係の深いと言われている公取から、報酬や広告の規制が自由競争にそぐわないことを指摘され、我が資格者団体も自由競争の荒波へと乗り出した訳です。

 

そして、皆様もご存じかと思われますが、TVコマーシャルにて広告をだす同業も現れました。

 

そして、価格もまちまちですが、規制があったときと比べて落ちたことは間違い無いでしょう。

 

それが、すべて利用者にとって有意義であったかと言えば、もちろん価格が下がったしアクセスがしやすくなったという良い面もあるでしょうけど、その分多くの仕事を供給し処理しなければならなくなるわけだから、事件ひとつに充てる時間を短縮するあまりぞんざいとなったということもあるでしょうし、不祥事の温床である食い詰め専門家を発生させたのもこれが間接的な原因だと私は考えてます。

 

にもかかわらず、資格者の数はどうも増加傾向にあるようです。

なお、資格を取るためにはそれなりの試験を通過しなければならないのですが、前述の状況を踏まえてさえ希望者が増えていると言うのなら、やはり雇用状況の不安定さに原因を求めるべきでしょう。

 

と、まぁそんな感じの業界において、生き残るためのノウハウを得るためにウン十万(らしいのです。)を支払う同業者が少なくないことを聴いたことがあります。

 

特に登記で言えば、GDPにおいて民間住宅投資が伸び悩むという形でハッキリと数字に出てしまっていますので、これは個人の責任よりも政治の責任の方が大きい訳です。個人が仕事取りに頑張ってみたところで同業者同士で小さなパイの取り合いとなるのが必然です。

 

なぜなら、我々の仕事は需要を掘り起こすことが出来ませんから。

 

もし、司法書士の経営セミナーで語るとしたら、需要の掘り起こしについてなら検討する余地があるのかも知れませんが、それは結局の所新しい分野にしか見いだせない訳で、それまでやったことがないことをやることになり、また業務範囲の問題にも突き当たる可能性があります。

 

いずれにしても、覚えれば誰でも上手くいくノウハウなんてものが存在するならば、資格という参入制限の枠組など必要なくなるわけで、資格者がノウハウを求めること自体が、参入制限に守られている自分の立場を否定しているとも言えるわけです。

 

逆に言えば、参入制限が設けられている資格者団体に他業種と同じような自由競争を求めることには無理があるわけで、少なくとも価格に関する上限下限はあった方がむしろ利用者にとって安心できるはずです。

 

また、業務内容が法律で決められており、参入規制も設けられていて、それに加えて上記によって価格に関する規制も設けるとするなら、広告の文言について顧客誘致に傾きすぎないようにするほか、資格者の所得の分配を担保するためにも広告の範囲の制限は設けるべきだったのではないでしょうか。

 

いずれにしても、自由競争の荒波のうねりにさらされているのは、法律専門職も同じでなのです。

とはいえ、自由競争が一見して消費者にとって有益な事として疑われることなく過剰に正当化されるのは、消費者=生産者という視点を見失っていることに他ならず、そのことは20年にわたる長いデフレによって、一個人が生産者である時よりも消費者であるときの方が強い立場でいられることを自覚している事に他なりません。

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