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信じる者

2013-07-11

太宰治の「走れメロス」といえば,処刑されるのを承知の上で命をかけて友情を守った主人公メロスが,人の心を信じられない王に信頼する事の尊さを悟らせる有名な物語です。

 

小学校の授業などで,友情や人を信じる心を養う教材としてよく利用され,ご存知の方は多いと思います。

 

一方で,「走れメロス」が生まれるきっかけとなったといわれる著者太宰治のエピソードをご存知の方もおられると思います。

 

なんでも,友人檀一雄と熱海で豪遊してお金を使い果たしてしまったために宿代が払えなくなってしまったため,太宰は檀を人質として宿に残しひとりで金の無心のために東京に帰ってしまいました。しかし,待てど暮らせど太宰が帰ってこないため,痺れを切らした檀は,宿の主人に許可を得て東京まで太宰を探しにいきました。すると,太宰は井伏鱒二と将棋を指していてそれを見た檀が激怒すると,太宰は,「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね。」 と言い放ったという話があるそうです。

 

この話を知ってからというもの,「走れメロス」に信頼とか友情とかを感じなくなり,むしろ太宰のたちの悪い洒落のような可笑しさを感じるようになりました。よくよく考えると話が出来すぎていますし。

 

人の話というのは,見る方向によって様変わりするものだなぁと思います。

 

テレビドラマなどで,ゆったりと流れる音楽と美しい言葉により演出された涙を誘う感動的なシーンも,実は不倫の場面だったり,見方によっては不快であろう行為も,「今は感動する場面ですよ」と演出により提示されると意外と感情移入してしまうものなのかもしれません。

 

言ってみれば,考えたり詮索したりするよりもどっぷりとエモーショナルな方向に思考も心境も委ねてしまう方が心地よいと感じるのだろうと思います。

 

そしてそのとき,何に浸っているかというと自分本位の心理という内部的なものあって,人に対する興味など外部的な要素ではないと思います。

 

「走れメロス」を例にすれば,ストーリーを読み込んでメロスとセリヌンティウスとの信頼に感動するよりも,友人を宿に置き去りにしておきながら開き直るというふざけた人物が書き上げたストーリーと考えた方が,外部要素を含めた面白さといえると思います。

 

もっとも,感傷的なムードに浸ることこそ,リラクゼーションの時間としておられる方も多いと思いますし,楽しみ方は人それぞれだと思います。

 

しかし,前述した外部要素を思考から完全拒絶している人って以外と多いんじゃないかと思っています。例えば,一度信じ込んでしまうと話が通じなくなってしまう人などのことを指しています。

 

いわゆる,洗脳されやすいタイプの人です。

 

この人たちの話というのは,最初のうちは人のことを思いやって道徳的でとても感情を大事にするように聞こえますが,よくよく聞いてみると自分のフレームの範囲でしか物事を考えることが出来ず,聞こえのいい紋切り言葉ばかりを繰り返し,自分の感情のみを中心にしていています。

 

外部的な要素を思考から拒絶していればそりゃ当然そうなるでしょう。

 

昔は,そういった感動的な話というのは,木戸銭を払って聞きに言ったりしていたのでしょう。(たぶん)

 

その頃と比べると,テレビが普及してからエンターテイメントを自宅で見られるようになり感動的なストーリーが身近になったと思います。

 

ですが,視聴率争いが過熱するにつれて各局とも“如何に感動させるか”“如何に笑わせるか”を競いあうようになり(ここだけでもおかしな感じがしますが)次第に派手な演出の競い合いの様になっているような気がします。

 

これを四六時中見ていると,派手な色合いと騒々しさに感覚と思考が麻痺してしまうと同時に自分の心理に浸りきったままになってしまうような気がします。

 

それが,自分だけの問題で済むのであればいいのですが,悪い人間に付け入られて周囲の人に迷惑をかけるケースも往々にしてありますので自省することをお勧めします。

 

気をつけてください。選挙カーが来ますよ。

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